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親の責任7

弁護士法人ウィズの弁護士岡崎秀也です。

本コラムでは最近のニュースについて,法律的に解説します。

 

最高裁平成27年4月9日の判決についての解説の続きです。

 

民法714条の1項の構造は、

「親権者が監督義務を尽くした」という立証をしないと免れない

となっているわけです。

ただ、親権者が監督義務を尽くしたという立証はまず不可能なのです。

なぜならば、監督義務を尽くせば事故は起こらないからです。

だから、結果が起こってしまうと監督義務を尽くしていないということがニア・イコールになってしまうわけです。

監督義務を尽くしたということは、要するにサッカーボールを蹴らせないようにするということです。

蹴らせなくするということをやっていれば、サッカーボールを蹴ってないわけですから。

だから事故は起こらない。

なので、この立証は難しい。

それから「義務を尽くしても損害が生じた」

これはどういうことなのかというと、

被害者の自爆行為を立証するのに等しいわけです。

だから、義務を尽くしたとしても損害が生じた、

これはほとんどあり得ない。

ですから、無過失責任を認めているのと同じなのです。

要するにボールを蹴って、それで第三者がけがをした場合には、

親は、ほとんどの場合は監督義務を尽くしたということを立証できないのです。

それから、義務を尽くしても損害が生じたということもできないわけですね。

ですので、無過失責任を認めるものとほとんど同じになってしまうわけです。

 

続きは次回です。

 



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